次の学習指導要領における情報教育
全国都道府県教育委員会連合会サイトの中央教育審議会資料に,中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会(第4期第10回,平成19年9月18日(火) 10:00~13:00)での資料が公開されています.
資料5-3 情報教育の現状と課題、改善の方向性(検討素案)を見ると,次のようなことが書いてありました.
3.改善の方向性
○ 小学校段階では,情報活用能力の基盤をはぐくむこととし,各教科等における情報手段の基本的な操作の習得や,情報モラルに係わる指導の充実を図ることとする.
○ 中学校および高等学校段階では,小学校の基盤の上に,生徒の発達段階やICTの利用経験等の多様な実態を踏まえ,情報化社会を生き抜く上で必要となる情報活用能力を確実に身に付けさせることとし,各教科等における情報手段の活用や情報モラルに関する指導の充実を図ることとする.4.改善例
○ 小学校段階では,各教科等において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの積極的な活用を通じて,その基本的な操作の習得や,情報モラル等に係わる指導の充実を図る.
特に,総合的な学習の時間においては,情報に関する学習と行う際には,問題の解決や探究活動を通して,情報を受信し,収集・整理・発信したり,情報が日常生活や社会に与える影響を考えたりするなどの学習活動がおこなわれるよう配慮することとする.
また,道徳においても,その指導に当たって,発達段階に応じた情報モラルに関する取り扱いに配慮することとする.
○ 中学校段階では,各教科等において,小学校段階の基盤の上に,コンピュータや情報通信ネットワークなどを主体的に活用するとともに,情報モラル等に係わる指導の充実を図ることとする.
特に,技術・家庭科の内容としては,従来からの必履修内容を精査した上で,高等学校への接続を確実なものにするために,マルチメディアの活用やプログラミングと計測・制御などに関する基本的な内容をすべての生徒に履修させることとする.
○ 高等学校段階では,各教科等において,小学校及び中学校段階の基盤の上に,コンピュータや情報通信ネットワークなどを実践的に活用するとともに,情報モラル等に係わる指導の充実を図ることとする.
特に,普通教科「情報」については,情報活用の実践力や情報モラルに関する内容を確実に身に付けさせるとともに,生徒の興味・関心や進路希望等に応じて,情報及び情報技術に関する科学的あるいは社会的な見方や考え方を定着させることに重点を置いた学習を可能にする観点から,現行の科目構成を見直し,「社会と情報」(仮称),「情報の科学」(仮称)の2科目の選択必履修科目を設定することとする .
これを見て「おおっ」と思ったことは,中学校の技術・家庭科において,「マルチメディアの活用」や「プログラミング」,「計測と制御」をすべての生徒が学ぶようになる,というところ.具体的な指導内容はこれからですのであまり語っても意味がないかもしれませんが,プログラミングで挫折して情報嫌いにならないようにするなど,指導内容および指導方法は考えなければなりませんね.
高校では,現行の「A」に関することは,「社会と情報」(仮称),「情報の科学」(仮称)で確実に身につけることとしてあるように読めますね.消えた,とかやらなくてよくなった,とかいうことではなさそうですね.
ふーむふむふむ・・・と思って
資料5-2 普通教科「情報」の現状と課題、改善の方向性(検討素案)
を読むと,
4.改善例
○ 社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力や態度をはぐくむために,情報教育の目標の3観点(情報活用の実践力,情報の科学的な理解,情報社会に参画する態度)をより一層重視することとし,次のような改善を図る.
(ア) 高校生の実態の多様性,情報および情報機器・情報通信ネットワークやソフトウェア等の活用が社会生活に必要不可欠な基盤として発展しているばかりではなく,これらを活用して高い付加価値を創造することができる人材の育成が社会的に求められていることなどを踏まえ,情報活用の実践力の確実な定着や情報に関する倫理的態度と安全に配慮する態度や規範意識の育成を特に重視した上で,生徒の能力や適性,興味・関心,進路希望等の実態に応じて情報や情報技術に関する科学的あるいは社会的な見方や考え方について,より広く,深く学ぶことを可能とするよう現行の科目構成を見直し,必履修科目として「社会と情報」(仮称),「情報の科学」(仮称)の2科目を設ける.(以下,科目の概要をしめして(ア)の項はおしまい.ちなみに各科目は2単位なのだそうな)
・・・うむ? 必履修科目?選択必履修の間違いかな.間違いでなくっていいですよー.必履修で2単位モノが2科目ね,あーうれしいなー(ぉぃ.
まー,2単位モノ2科目から1を選択だと してだな,(イ)の項から(オ)の項で示されている「重視する点」とやらを読んで,びっくり.
(イ) 情報通信ネットワークやメディアの役割や特性を十分に理解し,安全に配慮し,適切に情報を活用できる能力をはぐくむ指導をより一層重視する.
(ウ) 情報通信ネットワークや様々なメディアを活用して,新たな情報を創り出したり,分かりやすく情報を表現・伝達したりする活動を通して,合理的判断力や創造的思考力,問題を発見・解決することができる能力をはぐくむ指導をより一層重視する.
(エ) いわゆるディジタル・デバイドを今後発生させないことを重視する観点から,義務教育における情報教育の成果を基に,情報及び情報機器・情報通信ネットワークやソフトウェア等を自ら使いこなしていく知識・技能を確実に身に付けさせる指導を一層重視する.
(オ) 学習内容の理解の促進と定着を図り,学習意欲を喚起するために,実習や体験的な学習を積極的に取り入れるともに,他教科や様々な社会生活の場面で情報及び情報機器・情報通信ネットワークやソフトウェア等を使いこなすことができるようにすることを重視する.
・・・うーん.2単位でこれだけのことをするってのはちょっとヘビーじゃないですかね.重視したい気持ちはわかるけれども.
(イ)や(ウ)は,教科「情報」の専門性でフォローすべし,というのはわかります.でも,(エ)や(オ)は,教科「情報」だけの取り組みでは全然足りなくて,他教科でもどんどんICTを活用して,総合的な学習の時間でもますます活用して,進路指導でも活用して・・・みたいになんないと実現は無理じゃないかしら.いろいろな場面で文房具のように活用してこそ,他教科や様々な社会生活の場面で「使いこなす」ことができるのでは,と思います.なーんか教科として取り組むことと,学校全体の情報教育として取り組むことが混ざっているような感じがしますなぁ.そのためにはまず絶対的に不足しているICTツールを学校に導入して,そして使いこなせるように教員を教育しないといけませぬ.あー,難しそう.
まー,まだまだ素案なので,今後練り上げるときにちょっと考えてほしいなぁ,と思います.