第2回全国高等学校情報教育研究大会 兼 第2回関東都県高等学校情報教育研究会研究大会
筑波学院大学で24日、第2回全国高等学校情報教育研究大会 兼 第2回関東都県高等学校情報教育研究会研究大会が開催されました。
午前中は文部科学省の永井視学官から、新学習指導要領における共通教科情報についてのお話を拝聴。
「普通教科」は「共通教科」へ呼び方が変わる。これはすべての学科共通で学ぶ教科という意味ということなので、すべての高校生に対して必要な教育ということでは「普通教科」と同じことを指すので、大きな影響はありません。
「社会と情報」の目標で強調されていたと思えたところは、「情報社会に積極的に参画する態度」というところ。
以下、たさきが聞きながら考えたこと:「参画」できるために必要なICTへの理解であったり活用能力であったりを養えるような授業内容を考えることになりますね。コンピュータを使えるということではなくて、コンピュータを何のために使うのかという目的が前に出てくるイメージ。新幹線の予約でもいいですし、プレゼンの資料の作成でもいいですが、前者はコンピュータだけではなく自宅であればインターネットプロバイダとの契約、LANの敷設も必要で、自分で設定できてはじめて切符の予約サイトに行くことができるけれども、JRのサイトを検索して見つける能力もないといけないし、ひょっとしたら旅行会社のサイトでホテルつきの「パック」のほうが安かったりするかもな、みたいな情報収集・取捨選択能力もないといけないよね、とかいろいろ出てくる。単に「参画」といっても1分考えただけでこれだけ身に着けることがある。後者だって、伝える相手は誰で、何を分かってもらえないといけなくて、そのためにスライドは何枚構成のそれぞれで何を話すの、文字だけではなくて図解もやろう、といった構造的に情報をとらえる能力と、一枚一枚のレイアウトはどうするのといった「情報デザイン」の素養、色はどう使うの、といった「色彩」に対する理解などなどがあって、意味深いものが作れるようになる。もはやパソコンを使うとかそんなことはどうでもよくて、今言ったことを学ぶ(けれども、手元にはパソコンがあるときもある)ことを主題にしないとならない。パソコンの使い方を主題にしてきた情報科教員は要チェック。そのような授業は変わらないといけない。
「情報の科学」の目標は、「情報社会の発展に主体的に寄与する能力」を育てることであって、コンピュータサイエンスをそのままやるのではない。
たさきが聞きながら考えたこと:仕組みを理解するって意外に重要かもしれない。非接触ICカードで乗り物に乗るときに”タッチ”に失敗することがあるけれども、仕組みが分かっていれば、財布にICカードを2枚入れたりはしないだろうし、ゆっくりタッチするようになるだろうし、ちょっとくらい浮かせてもOKだけど、その「ちょっと」がどのくらいかわかるし、まさかカードを叩きつけるように改札を通らんでもよいことは分かるだろう。でも、そんな受身のことだけでは「寄与」する態度は育たないので、習得した技術をみんなのために使ってもらう体験をしてほしいなぁ。そしたらやっぱり開発というのも出てくるよね。「開発」で止まっちゃうのがダメなんだよね、きっと。開発を通して社会(の範囲はどうあれ)に「寄与」するところ、そこまでいけばいいのだろうか。情報共有のための授業サイトを用意させるとか。たとえばそればブログだったら、データベースを理解する足がかりだよね。「ありがたや~」と思うものでハードルが高くないものについては、仕組みの勉強をさせながら用意させちゃえばいいんだよね。それこそコンピュータサイエンスをやるのであれば、「情報の科学」を終わった後に意欲ある生徒に対して選択科目を用意すればいいかな。コンピュータサイエンスを学ぶ場を提供すればいいかしら
「情報A」は消えたのではない。「情報の科学」と「社会と情報」の学習活動の中で「情報A」の考え方は織り込まれている。
たさきが思ったこと:これは新指導要領を読んだときに理解できていたことだったので、それがちゃんとしたところからのメッセージとして発信されたところが意味のあるところだろう。課題解決志向の教科なのだということを忘れると、座学で理論を注入してばかりということになりかねない。特に疲れて授業準備をする余裕が無くなったときに注意しなければ。注入するだけって楽なので、やっちゃうんだけれども、少なくしていかないと。
ほかにもいろいろありましたが、それは会場でお話を聞いた人のお楽しみ。
午後は、ポスターセッション(前半)の発表をしました。「マジカル・スプーンの説明書」と題して、信州大学の香山准教授と東陽テクニカの二上氏とともに発表させていただきました。打ち合わせは特にありませんでしたが、香山准教授は理念を、二上氏は技術的な特性を、私は授業での使い方を中心にお話できたかと思います。マジカルスプーンの実機を使って操作していただくこともありました。実際に見て大きなインパクトを受けた方も多かったのですが、それだけにそのインパクトを教室に持ち込む際に生徒が抱いた興味・関心をどうやって学習に活かすか、教師が学習の場を作っていくか、どのような展開が有効化、ということは考えないといけません。その具体例が少しでも提案できていればよかったなぁ、と思いますがいかがだったでしょうか。
昨日のポスターでお話できたことは、主に次の4点。
- 生徒の「このおもちゃで遊びたい」という思いを学習モードに切り替えるには、教師が意識してシグナルを送らないといけない。NHKの高校講座とまではいかないが。
- この教材は課題解決を主体とした学習活動に向いている。
- 実際の動きを観察させて考察しながら学習を進めるとうまくいく。説明と実習を分けてやる感じだと、経験上うまくいかないことが多かった。
- 最後にまとめの時間を作って学習事項の定着を促すこと。これで「あー飛ばしたぞ面白かったぞ」で終わることは無くなる。
- 九段中等で今年実施したテーマは、計測と制御
飛行船の準備や後片付けをしたり、いろいろな方と交流したりしている間に大学へ行く時間になってしまいました。というか、分科会聞いてないよーそれだけが心残りです。聞きたかった聞きたかった聞きたかったよー(じたばた)。ううう。(泣いても遅い)
そう、私は懇親会そっちのけで大学へ向かうのです。でも、その判断は正解でした。全国の皆さん、また来年お会いしましょう!