答えがない実習
3年生のテーマ学習は,情報倫理をはたらかせることを目的に実施しています.1学期のだいたいの流れはこんな感じ.
- 「情報化社会の問題点」に関係ありそうな事件を,新聞記事から探してこよう
- 新聞記事からわかる範囲で,事件のプロファイルをまとめよう
- コンピュータやネットワーク関係の知識は,Webから収集して構わないが,クロスチェックはしよう.
- 法律が関係しているようなら,その法律が定めているルール,破るとどうなるのか,判例等まとめておこう.法の解釈など専門的な知識が必要とされるから,Webではなく図書を使おう.
- 法律が関係していないようなら,事件が再度起こらないようにするために,どのような工夫が考えられているか図書や雑誌の記事をもとにまとめておこう.
- このような法律等は類似の事件を防ぐ抑止力になっているだろうか?何故そう思うか?
- 法律とか関係なしに,この事件の何が問題なのか,考えてみよう.法律が関係なかったら,ひょっとしたら問題にはならなかった?いや,やっぱり問題?なんで?そして,何故そう思う?
- その他何か考えたことや意見があったらまとめよう
えー,一応倫理なんで,生徒個人個人の倫理観がレポートに反映されていればいいんですね.「これは違法行為だからやめましょうね」は単なる注意であって倫理じゃないので,そういう議論はこの実習では求めていません.
何で違法とされてるの?それはね,違法ということにしないと,世の多くの人がハッピーになれないんだよ.なんでかっていうとね,・・・
こうなると,幸せの追求ということで倫理になってきますよね.でも,誰のための幸せなのか?というところに疑問を投げかけると,「その法律ってある方面の人たちにとって結構一方的なルールなんじゃないの? 」という議論にも発展するわけですね.それもアリですよね.著作権なんて,まさにそのような側面をもってますよね.
意見を言う人は,皆立場や境遇が異なる訳で,それを一方的に押しつける人がいれば,尊重してくれる人もいて,いろいろな人がいるけれど,それでもなんだか社会としては成立しているのは,何でだろう?企業倫理とかいう単語が出てきたけれど,それは何のための言葉なんだろうねぇ,とか,いろいろ考えてくれるといいなぁ.そこまでやらんかなぁ.どうかなぁ.
そのような議論を経て,「現時点の私は,こう思う」という意思表示をするということは自分自身の成長につながるんじゃないかな,と思います.仲間同士で議論をたたかわせることによって,単なる「なれ合い」からの脱却につながるかもしれませんし,互いを尊重することの意味を知るかも知れません.マニュアル依存症が治るかも知れません.
ポイントは,教員はあまり喋らないこと.教員の考えに偏るから.